設備の保全って、大きく分けると3つのやり方があります。
「壊れてから直す」
「決まった時期に点検する」
「壊れそうなタイミングを見つけて、その前に手を打つ」
3つ目が予知保全です。
この記事では、予知保全とは何か、他の保全方式と何が違うのか、現場目線でわかりやすくお伝えします。
設備の保全って、大きく分けると3つのやり方があります。
「壊れてから直す」
「決まった時期に点検する」
「壊れそうなタイミングを見つけて、その前に手を打つ」
3つ目が予知保全です。
この記事では、予知保全とは何か、他の保全方式と何が違うのか、現場目線でわかりやすくお伝えします。
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目次

まず、3つの保全方式を整理します。
事後保全(BDM)
壊れてから直すやり方です。
一番シンプル。
壊れるまで使い切れるので、部品代はムダになりません。
ただし、壊れたら当然ラインは止まります。
予防保全(TBM)
「3ヶ月に1回交換」「半年に1回点検」のように、決まったスケジュールで保全するやり方です。
突然壊れるリスクは減ります。
ただし、まだ使える部品も交換してしまうので、ちょっともったいない。
予知保全(CBM / PdM)
センサーで設備の状態を見て、「そろそろヤバそうだな」というタイミングで保全するやり方です。
壊れる前に手を打てて、しかもまだ使える部品は交換しなくて済む。
いいとこ取りなんですが、センサーやシステムの初期投資が必要です。
| 保全方式 | やり方 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 事後保全 | 壊れてから直す | 部品を使い切れる | ラインが止まる |
| 予防保全 | 定期的に交換・点検 | 計画が立てやすい | まだ使える部品も交換 |
| 予知保全 | データで兆候を見つけて対処 | ちょうどいいタイミングで保全 | 初期投資が必要 |
予防保全と予知保全の違いについてもっと詳しく知りたい方は、予知保全と予防保全の違いは?どっちを選ぶべきかを現場目線で解説をご覧ください。

ひと言で言うと、「人がいない」からです。
ベテランの保全担当者がどんどん退職しています。
今まではベテランが「音がおかしい」「振動がいつもと違う」と気づいてくれていました。
その「勘と経験」が会社からなくなりつつある。
かといって、新しい人はなかなか来ない。
来ても、ベテランと同じことができるようになるまで何年もかかる。
じゃあどうするか。
センサーに「勘と経験」の代わりをしてもらおう、というのが予知保全の考え方です。
もう一つの背景は、設備の老朽化。
建設から50年以上経っているインフラや設備が増えています。
全部入れ替えるお金はないけど、壊れたら大変。
だから「壊れる前に気づく仕組み」が必要になっている。
そして3つ目が、技術が安くなったこと。
以前は大手企業しか手が出せなかったセンサーやAI分析が、今はクラウドサービスのおかげで中小企業でも導入できるようになりました。

難しそうに聞こえるかもしれませんが、やっていることはシンプルです。
センサーで設備の状態を測って、いつもと違ったらアラートを出す。
これだけ。
では、何を測るのか?
振動
モーターやポンプなど、回転する設備に使います。
ベアリングが摩耗してくると、振動のパターンが変わる。
一番よく使われている方法です。
温度
電気設備の過熱や、冷却装置の異常を検知します。
赤外線カメラで非接触で測れるので、動いている設備にも使えます。
電流
モーターに流れる電流のパターンを見ます。
クランプ式のセンサーなら、配線を切らずに後付けできるので導入がラク。
音
設備から出る音を分析して、内部の異常を見つけます。
最近はスマートフォンのマイクで簡易診断できるサービスも出ています。
月額3,000円くらいから始められるものもある。
画像
カメラで撮った映像をAIが分析して、外観の変化(腐食、ひび割れ、変色など)を自動で検知します。
配管や外壁の検査で使われることが多いです。
配管の腐食検査にAIを活用する方法について、こちらで詳しく解説しています。
工場配管の腐食検査を映像×AIでスクリーニングする方法
どの方法がいいかは設備によって違いますが、回転する設備なら振動、電気設備なら温度や電流、というのが定番です。

予知保全はすべての設備に必要なわけではありません。
向いているのはこんな設備です。
逆に、すぐ直せるもの、予備がある設備は、壊れてから直す事後保全で十分です。
全部の設備にセンサーを付ける必要はありません。
「これが止まったら一番困る」という設備から始めるのが鉄則です。
「うちでもやってみたいけど、何から始めればいいの?」
という方向けに、ステップを整理します。
まず全部やろうとしない。
「止まったら一番困る設備」を1台か2台選ぶところから。
いつ、どの設備が、どんな理由で壊れたか。
修理にいくらかかったか。
ラインが何時間止まったか。
これを整理するだけで、「ここにセンサーを付けるべきだ」という優先順位が見えてきます。
最初は正常な状態のデータを集めます。
2〜4週間くらい。
「いつもの状態」がわかれば、「いつもと違う」がわかるようになります。
ここが一番お金がかかるところです。
正直に言います。安くはできません。
データを集めるだけでは意味がなくて、「このデータは異常なのかどうか」を判断する仕組みを作る必要があります。
設備の種類や環境によって「何が異常か」は全然違うので、汎用品では対応しきれないことが多い。
ここはシステム屋さんの力の見せ所です。
ただし、システム屋さんにもそれぞれ得意分野があります。
Web系が得意な会社、業務システムが得意な会社、AIが得意な会社。
予知保全のAIは、どこの会社でもできるわけではありません。
「AIやります」と言う会社は増えていますが、実際に設備データを扱った経験があるかどうかは必ず確認してください。
予知保全にAIを活用した実際の事例を知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
予知保全×AI活用事例5選。導入企業の実際の効果を紹介しています。
半年くらい運用してみて、実際に故障を防げたか、コストは見合っているか確認。
効果があれば、対象設備を増やしていく。
スモールスタートで始めて、半年で設備停止件数が70%減ったという事例もあります。

気になるのはやっぱりお金の話ですよね。
正直に言うと、センサーだけなら安いけど、異常を検知する仕組みまで含めるとそれなりにかかります。
センサーだけの場合
振動センサー数個+ゲートウェイで50万円くらいから。
データを取るだけならここまでで済みます。
異常検知の仕組みまで含めた場合
ここが本丸です。
イチから作ると1,000万円以上かかることも珍しくありません。
「え、そんなにかかるの?」と思いますよね。
意外とお金かかるんです、異常検知の仕組みって。
設備ごとに「何が異常か」を判断するロジックを作る必要があるので、どうしても手間がかかる。
ただし、システム会社さんが同じような領域で過去に開発した経験があれば、流用してくれたりするのでお安く収まることもあります。
ここは見積もりを取ってみないとわかりません。
だからこそ、その分野の経験があるシステム会社さんを選ぶのが大事です。
既製品のサービスを使う場合
月額5万〜30万円で使えるクラウドサービスも増えています。
ただし、自社の設備にそのまま合うかどうかは別の話。
「導入したけど、うちの設備には合わなかった」という話も聞きます。
大事なのは、「突発故障が起きた時にいくら損するか」と比較すること。
ラインが止まって1日100万円の損失が出るなら、数百万円の投資は安いものです。
逆に、すぐ直せる設備にお金をかけても意味がない。
どこにお金をかけて、どこはかけないか。
この判断が一番大事です。

導入で失敗するケースもあります。
先に知っておけば防げることばかりです。
現場を巻き込まない
IT部門や経営者だけで導入を決めて、現場に降ろす。
これが一番多い失敗。
実際に使うのは現場の人なので、「これ便利だな」と思ってもらえないと定着しません。
ベテランの抵抗
「俺は音を聞けばわかる」「センサーなんかいらない」
こういう反応は当然あります。
いきなり切り替えるのではなく、しばらく併用して、「ほら、センサーも同じこと言ってるでしょ?」と実感してもらうのが近道。
アラートが多すぎる
センサーを付けたら「異常!異常!」とアラートが鳴りまくる。
ほとんどが誤報。
こうなると誰もアラートを見なくなります。
最初のうちはしきい値の調整が必要。ここは手間をかけるべきポイント。
いきなり全社展開
最初から全設備にセンサーを付けようとして、予算も工数も膨れ上がる。
1〜3台から始めて、効果を見てから広げましょう。
ここが大事なポイントです。
予知保全がいいからといって、全設備を予知保全にする必要はありません。
設備の重要度に応じて、保全方式を使い分けるのが現実的です。
この使い分けができている現場は強いです。
限られた人と予算で、最大限の効果を出せます。
検査・保全業務のお困りごと、なんでもご相談ください
現場で困っている方のお役に立ちたいという思いで、
予知保全専門のシステム屋さんとして分かる範囲で1回だけ無料でお答えします。
メールで1回お返事するだけで、セールスなどはしませんので、どうぞお気軽に。
私たちもオンライン会議の時間がなかなか取れないので、まずはメールでやり取りしましょう。
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